〔AutoCAD〕素材の格納庫「デザインセンター」とは

アフィリエイト広告を利用しています

〔AutoCAD〕素材の格納庫「デザインセンター」とは

図面を何枚も作図する際に、画層や文字、寸法などの作図設定を最初から作成していたらとても手間と時間がかかります。AutoCADには、以前に作成した図面から作図設定だけを簡単にコピーできるデザインセンター(DesignCenter)という機能があります。よく使うシンボルなどをここからコピーペーストするだけで、何度も最初から必要なオブジェクトを作成する手間が省けます。また、職場環境によって同じ形式で図面を作成したい時の共有元ともなれるデータ格納庫の役割も果たします。その便利なデザインセンターの説明をします。

デザインセンターを開いてみよう

初期設定ではデザインセンターは表示されていないため、まず開く必要があります。練習として、デザインセンターを開く前に、親となる図面以外の図面を開いておきましょう。親となる図面は閉じたままで構いません。
「デザインセンター」コマンドの実行は以下のとおりです。
1.「表示」タブ→「パレット」→「デザインセンター」
2.キー入力で「ADCENTER」
「デザインセンター」コマンドを実行するとパレットが開かれます。まずは、「フォルダ」のタブから、まずブロックの親図面となるファイルを探しましょう。図面名称に紐付いている+をクリックすると「ブロック」という項目があります。その「ブロック」をクリックすると、その図面に定義されているブロックのアイコン一覧が、右の窓に表示されます。ここで、今開いている図面の上に、これらのブロックのアイコンを直接ドラッグすることで、図面上にブロックがコピーされ、同時に定義もコピーされます。
しかし、図面上にあるブロックをデザインセンター内にドラッグしてコピーはすることができません。

オリジナルのデザインセンターを作ろう

上記の方法で、デザインセンターの開き方やブロックの挿入方法は理解できたと思います。図面の線分や文字などだけ修正する場合には、あまり使用することがないかもしれません。
一つの使用例を紹介します。
建築図面や建築設備図面には決まったオブジェクトがあります。建築図面では窓や扉のほか、机、いすなどの什器、エレベーターなどはよく使用する部品です。建築設備では、決められたシンボルという名称のオブジェクトを配置するのが一般的です。これらの形状を一つの図面に取りまとめておき、保管しておくと、いつでもデザインセンターを通して取り込むことが可能です。もし、寸法などが違っていても、取り込んだデータを分解し、新しいブロックを作成することで、一から部品を作成する手間も省くことができ、その部品をまた基本となるシートに保存しておくことでストックを増やすことができます。こういった流れでオリジナルのデータ格納庫が出来るわけです。同じ業務に携わる人が自分だけではない場合、線種や色、大きさ、書式などを打ち合わせしながら作成していくのは難しいです。また、個人で好きな線種や色を作成した場合、後々、印刷した場合に表示が不揃いになることになります。こういった問題を無くす手段としても、基本となるデータ元を作成しデザインセンターで共有するのも一つのテクニックです。