実践的な図面での用語の解説・記号の使い方

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実践的な図面での用語の解説・記号の使い方

CADの学習で描く図面と、実際に加工現場で使用される図面ではやはり違いがあるものです。

設計者、設計補助者のイメージからは抜け落ちがちになりますが、製品を加工する際には重要な情報というものがあります。業界や製品によって情報の内容はさまざまに異なりますが、使用頻度の高い用語、記号について解説していきます。

目次

寸法公差

製品は、加工する時に、図面の指示通りに加工できるとは限りません。何事も、誤差が生じるものです。そのため、図面作成時にあらかじめ誤差の許容範囲(最大値、最小値)を指定しておくことを寸法公差といいます。

具体的には50㎜の寸法で寸法公差が±0.1㎜の場合は、「49.9~50.1(㎜)の間で加工してくださいね(これよりズレると不良)」という加工指示になります。

交差の許容範囲は上記のように寸法から「プラスマイナス」になることもあれば、プラス方向に許容範囲をとったり、マイナス方向に許容範囲をとることもあります。

穴をあける場合 はめあい交差

穴にネジや別の部品をはめ込むような時、入らないのは困りますが、入った上でネジが閉まったり部品が動作する範囲ならわずかな隙間があってもよいということになります。このとき、穴はネジより必ずプラスに、ネジは穴より必ずマイナスに加工します。寸法が50㎜の場合、50.1㎜の穴と49.9㎜のネジにならないとはまらない、ということです。このような穴と部品のはめあいの寸法を「すきまばめ」といいます。

他にも穴と部品を固定する場合の「しまりばめ」、すきまばめとしまりばめの中間くらいになる「中間ばめ」といったはめあい交差の考え方があります。

改定履歴

図面の修正を行う際は、修正箇所を△か□の記号を明示し、改定番号(やアルファベット)を記入します。修正内容は、別途図面枠の改定欄に記述します。

(※寸法公差の項目の図を参照してください)

表面処理 粗さ記号

製品を使う用途によって、表面の粗さを指定します。

同じ機械でも、機械同士で作用するものと、人が手に持って使う場合では、表面の仕上げ方が異なります。表面を滑らかにするにはひと手間処理工程が増えるため、コスト面の考慮も必要となります。

生地、粗仕上、並仕上、上仕上、精密仕上の5つの度合いがあります。

これまでに2回JISの記号改定があり、新・旧・旧々記号が図面によって異なっているようです。

また、表面にメッキ処理などの表面処理が必要な場合は仕様を図面に明記します。

素材、材料

加工時に何の素材を使うか図面に記入します。素材は一般にJISコードで記入します。

鉄・・・S45C(機械構造用炭素鋼)
ステンレス・・・SUS303(快削ステンレス)
アルミ・・・A5052(耐食アルミ)

など。ほかにも多くの素材が存在します。

図面枠の記載内容

寸法公差や面取りなどの指示は図面上に記載しますが、指示のない箇所はJISの一般交差に則って加工されます。

JIS一般交差とも異なった独自の交差を図面の指示のない部分に入れるため、図面枠にあらかじめ交差を記載しておくやり方もあります。

「寸法公差で小数点のないものは±0.5㎜交差」
「寸法公差で小数点第一位まで記載されているものは±0.2㎜交差」

というような具合に、図面枠に記載する欄を設けてあることが多いです。

他にも「ネジタップの交差(例±0.3㎜)」、「穴の交差(例±0.3㎜)」、「角度交差(例±0.5)」、「面取り指示(例R0.3)」、「面取り指示(例C0.3)」というように企業によって様式を規定しています。

面取りの場合はRとCを混在して記入できないので、どちらかは斜線で消して使用します。

このような項目は、図面を作成するうえでは必要となりますが、加工や材料についての経験・知識がないとわからない領域です。加工業者をとってみても設備や技術の違いがあり、仕上げの精度も業者によって異なるのが現実です。知識として頭に置いておくとしても、実際に仕事としてやっていく中で覚えていけば大丈夫です。