CAD のコマンド

CADを操作するうえで必要な機能の一つに「コマンド」があります。ゲームを例に挙げて説明すると、ゲームの展開を進めてゆく際、プレイヤーにどのような動きをするか指示を与える必要があります。このプレイヤーを動かすための指示がコマンドであり、CADで製図作業を行う際、どのような図形をどこに配置するかの指示を、画面のアイコンを使用して行います。ここで、各コマンドの役割を理解して適切に使い分けることができれば、CADの作業効率をアップさせることが期待できます。
そこで、CADで存在するコマンドについて、AutoCADを例に用途別で紹介してゆきます。
まず、作図コマンドを紹介します。
・line(l):線分を意味し、単線の描画に使用します。
・circle(c):真円(中心点からの半径が一定の円)を描画する際に使用します。
・ellipse(el):楕円(中心点から円周上までの半径が一定でない円) の描画で使用します
・pline(pl):ポリラインの描画に使用します。ちなみに、ポリラインとは
・arc(a):円弧の描画に使用します。円弧とは、ある点を中心として始点から終着点にかけて描く円状の線分であり、始点と終着点が一致する図形を円と呼びます。
・rectang:長方形の作図で使用します。
・spline(a):スプライン曲線の作図で使用します。
・ellipse:楕円弧の描画で使用します。楕円弧とは楕円上の線分のことを指し、始点と終着点が一致する図形が楕円です。
・point:点を作図するのに使用します。
・divide(div):デバイダー
・measure(me):メジャー
・bhatch:ハッチング(図形内部に斜線を引く作業) で使用します。
・block(b):ブロック定義
・insert:ブロック作成で使用します。
・mtext(t/mt):マルチテキスト
・dtext:一行文字列の作成で使用します。
・region(reg):閉じた図形の作成で使用します。
次に、修正作業で使用するコマンドを紹介します。
・erase(e):オブジェクトを削除する時に使用します。
・copy(cp):オブジェクトの複写する時に使用します。
・mirror(mi):鏡像を意味し、指定した線分を境界として選択したオブジェクトを反転させたオブジェクトを作成します。
・offset(of):オフセット操作を行う際に使用します。
・array(ar):配列複写の操作で使用します。
・move(m):オブジェクトを移動させる際に使用します。
・rotate(ro):オブジェクトを回転させる際に使用します。
・scale(sc):選択したオブジェクトや図面の尺度を変更する作業で使用します。
・stretch(s):ストレッチ操作で使用します。
・trim(tr):トリム操作で使用し、線分のうち余計な箇所を削除します。
・extend(ex):延長操作で使用し、線分を引き延ばす際に使用します。
・break(br):オブジェクトを部分的に削除したい場合に使用します。
・chamfer(cha):面取り操作で使用し、長方形(正方形も含む)の角を丸くしたい時に使用します。
・fillet(f):フィレット操作で使用します。
・explode:オブジェクトの集合体を分解する際に使用します。
・lengthen:オブジェクトの線分長さを変更する際に使用します。
寸法コマンドの説明に移ります。寸法には、線分の長さや円の半径・角度をはじめ、寸法の記入の仕方によっても図面の見栄えが大きく変わるため、重要なファクターといえます。
・dimilinear(dli):長さ寸法の記入で使用します。
・dimaligned(dal):平行寸法の記入を使用します。
・dimoedinate:座標寸法の記入で使用します。
・dimradius(dra):円や円弧の半径寸法の記入で使用します。
・dimdiameter(ddi):円や円弧の直径寸法記入で使用します。
・dimangular(dan):角度寸法の記入で使用します。
最後に、ズームコマンドについて説明します。これは、オブジェクトそのものを拡大表示したり、オブジェクトそのものを拡大したい時に使用します。
・zoom(w):窓ズーム
・zoom(d):ダイナミックズーム
・zoom(s):倍率ズーム